今回の記事では、フランス語の「条件法現在」の意味と使い方について解説していきたいと思います。
- フランス語の条件法ってどんな法?
- 用法が多くて混乱してしまう
- どんなときに使うか分かりやすく教えて!
②:3つのパターンに分類
③:それぞれの用法を整理
この記事の構成はこんな感じです。これを読めば、条件法に対する苦手意識は薄くなっているはずです。
それでは、さっそく見ていきましょう!
条件法の基礎
まず、条件法とはなにかという点を分かっていないと話が始まりませんね。基礎内容の確認からしていきましょう。
絶対に覚えておくべきことは、以下の点です。
これについて、フランス語文法の全体を概観しながらまとめた記事がこちらです。
この記事では、活用の仕方や、条件法には「条件法現在」と「条件法過去」の2種類があることなど、文法の基礎をまとめています。
先にこちらの記事に目を通しておくと、理解がはやいかもしれません。
この点を踏まえた上でここからは、
という部分の、意味と使い方を確認していきます。
3パターンに分けてみた
それでは、いよいよ本題です。
ここでのテーマは、「条件法現在の事実に反する仮定」の使い方です。この文法を、とにかくざっくり3つのパターンに分けて、テキトーに名前を付けてみました。
- 妄想している人の文パターン
- 控えめな人の文パターン
- 今を受け入れていない人の文パターン
まず、条件法の使い方の基本は、事実ではないことを仮定して話すときに使うものですよね。この「仮定の仕方」を分類分けしてみたということです。
ジャンル分けも名前をつけることも、完全に独断でしていますので、参考にするかしないかは、あなた次第です。
- 事実とは違うことを想定して未来を語る、妄想する人。
- 事実じゃないふうに思わせて主張する、控えめな人。
- 事実と異なる場合の現在を帰結している、今を受け入れていない人。
ちなみにこの分け方は、話者のパーソナリティとは一切関係ないですからね。
条件法現在の文を使う人が、「妄想系」、「控えめ」、「今を受け入れていない」ということでは決してありませんよ。
どちらにせよ、これだけではなんのことか分かりづらいと思うので、以下で例文と一緒に解説していこうと思います!
妄想系のパターン
まず一つ目が、「妄想している人の文」パターンです。
簡単に言うと、まず事実じゃないことを仮定している訳ですよね。そしてさらに、仮定をした上で、現実には起こらないけど「こうなる」という答えを出している訳です。
もし私が動物だったら、鳥になりたい。だって空を飛んで、、、
これが典型的な文ですね。
動物になる可能性もないですし、鳥になった話も現実では絶対に起こらないです。
文法的に解説
では、文法的にまとめておきます。
- 現在の事実に関する仮定
- 未来の実現性の薄いことに関する仮定
をする場合、
(もし、〜ならば)、(〜なのに)
という使い方で表現することができます!
具体例を見ていきましょう。
(例)
Si tu n’étais pas malade, je t’emmènerais à la mer.
君が病気じゃなかったら、海に連れて行くのに。
妄想しているわけでは決してないのですが、病気だという事実は変えられないのに、そうじゃない場合のことを想定して、「海に連れて行く」と言われても、、、
というわけです。
条件節の表現
ちなみに、さきほどの表現はあからさまに条件法だということが分かりますね。
なぜなら、si + 直接法半過去の部分がそれを示してくれているからです。
でも、実際の会話ではこれが常にあるわけではありません。
- Avec plus de travail,:もっと頑張っていれば、
- À votre place,:あなたの立場だったら、
- Sans toi,:あなた無しでは、
- En empruntant l’autoroute,:高速道路を使えば、
こんな感じで、副詞句やジェロンディフを用いたり、文脈で判断しないといけなかったりする場合もあります。
しっかり条件法現在の活用も頭に入れておかないといけないですね。
仮定じゃない場合
あともう一つ注意点は、日本語にしたら同じような感じだけど、条件法か直接法かきちんと判断しないといけない場合があります。
例えば、以下のような例文です。
- 明日晴れだったら、海に連れて行くのに、、、
(si 直接法半過去, 条件法現在) - 明日晴れだったら、海に連れて行ってあげるよ!
(si + 直接法現在, 直接法単純未来)
この2つの最大の違いは、実現性です。
- 前者:明日雨の可能性が高い
- 後者:明日雨かどうかまだ分からない、晴れの可能性もある
この使い分けによって、話し手の「スタンス」がわかりますね。
控えめな人の文パターン
次に、「控えめな人の文」パターンについてです。
事実なのに事実じゃないフリをして、自分の考えを主張する表現ですね。
- これ欲しいんですけど、、
- これやっていただけますか?
- こうすべきではないだろうか。
このような言い方をするものです。
推測したり、聞いた話だったり、丁寧に伝えたかったり、とにかくハッキリ言いたくないときに使います。
文法的な解説
こちらも、文法的に解説します。
以下のような動詞を、条件法現在で活用した形で使うのでわかりやすいです。
- pouvoir
- vouloir
- devoir
- falloir
例文を見ておきましょう。
Pourriez-vous parler plus lentement ?
(もう少しゆっくり話していただけますか?)
Je voudrais esseyer.
(試着してみたいのですが)
Vous devriez aller voir le médecin.
(歯医者に行った方がいいですよ)
Il faudrait partir tout de suite.
(すぐに出発する必要があると思います)
これが、「控えめに主張する」パターンです。
今を受け入れないパターン
最後は、「今を受け入れていない人の文」パターンです。
本質的なことは「妄想パターン」と同じなのですが、昔のできごとを思い出して、もしあのときああだったら今は、こうなっているだろうな、というやつです。
- あのとき君と結婚していたら、今は幸せだったろうな
- 君がもっと優しかったとしても、彼は不満を言うよ
こういう感じの表現です。
「君とは結婚していたら」というのは事実じゃないし、「君は優しくない」のが現実です。
でも、もし違ったら今(未来)は、、、という「事実に反すること」を帰結しまうやつです。
文法的に解説
文法的に言うと、
これで過去の事実に反する仮定をして、現在の状況を話すという使い方があります。
- 現在の仮定 → 直接法半過去
- 過去の仮定 → 直接法大過去
という感じで、時制が1つずれるという点がややこしいですね。
Si je l’avais épousée, je serais plus heureux.
もし彼女と結婚していたら、今ごろ幸せだろう。
まとめ
以上が、フランス語の条件法現在に関する説明です!
さいごに3パターンを振り返りましょう。
- 妄想している人の文パターン
- 控えめな人の文パターン
- 今を受け入れていない人の文パターン
細かいことを一気に覚えなくても、まずはなんとなくの理解で大丈夫だと思います!
条件法を使った文章に出会うたびに、しっかりと復習しながら理解することが重要ですね。
引き続きフランス語の勉強がんばっていきましょう〜