今回の記事では、「フランス語の形容詞nouveauは、名詞の前か後ろどちらにつけたら良いのか」というテーマで記事を書いていきたいと思います。
- 形容詞の使い方がイマイチわからない
- 「新年」ってフランス語でどう言えばいい?
- nouveauとneufって一緒の単語?
②:「nouveau(=新しい)」の二つの概念
③:具体例を挙げながら解説
この記事の構成はこんな感じです。これを読めば、もうフランス語の形容詞の使い方をマスターし、応用的な表現にも対応できているはずです!
それでは、さっそく見ていきましょう!
基本のおさらい
形容詞の使い方オーソドックス
それではまず、フランス語の形容詞の使い方の「基本中の基本」から見ていきましょう。
ズバリ、結論はこれです。
英語や日本語だと形容詞は「前から」かかっていくのが一般的ですが、フランス語は後ろからです。
もしかすると学習していくうちに、いろいろな形容詞の例外的な使い方が登場してくるとは思います。しかし、まずは何より上記の「名詞の後ろから修飾する」という基本法則をしっかり押さえておきましょう!
nouveauとneuf
そして、ここではさらにややこしい形容詞をまとめておきます。
それは、nouveau、neuf、ancien、vieuxです。
これはそれぞれ、
- nouveau:新しい ⇔ ancien:前の
- neuf:新品の ⇔ vieux:古い
という意味になり、この二つの単語が対の意味になります。
形容詞の使い方をさらに知りたい人へ
ひょっとするとこの段階で、
- もっと形容詞の使い方を知りたい
- まだ例外を学ぶには早すぎる
- 形容詞ってどんな使い方があるのかサクッと外観しておきたい
という方もおられるかもしれません。そんな方は、まず以下のページを参考にしてみてくださいね!
「新しい」という概念
ではいよいよ、実際に「nouveau」という単語にフォーカスしていきたいと思います!
いきなりですが、このnouveauという単語が意外と厄介で、活用を先におさらいしておきます。(完璧な方は飛ばしてOKです)
男性単数 | nouveau | 女性単数 | nouvelle |
男性第2形 (↑母音で始まる名詞の前) |
nouvel | ||
男性複数 | nouveaux | 女性複数 |
nouvelles |
男性名詞で複数になった時の活用は、sではなくxを最後につけることや、母音で始まる名詞の前では特殊な形になることなど、ここで改めで確認しておきましょう。
では、ここからが本質です。(遅くなって本当にゴメンナサイ)
普段からわたしたちがなんとなく使っている「新しい」という言葉ですが、実はこれらを二つの意味に分けることができます。それが、以下の通りです。
- 同じものの置き換え
- 今までにないもの
さて、いかがでしょうか?
なんとなくイメージが湧くでしょうか?
1つ目「同じものの置き換え」
では、まず一つ目の「同じものの置き換え」です。
具体例を出しましょう。
わたしは今、パソコンを使ってこの文字を入力しています。
このパソコンは(どうでもいいことは100%承知なのですが)、AppleのM1 MacBook Airで、色はスペースグレイです。確か、2021年ごろに購入したと思います。もちろん見た目もスタイリッシュでかっこいいし、性能も十分満足しています。
ただ、このパソコンが誰かに盗られたとしましょう。
そうすると、また新しいパソコンが必要になります。今まで持っていたものが、もう使えないからです。
つまり、今まで使っていたパソコンではなく、新しいパソコンを買い換えるので、「パソコン」という同じものを「新しいものに置き換えた」ことになります。
2つ目「今までにない」
では、次に2つ目のパターンです。これは、「今までにないもの」という意味です。
先ほどの具体例を、途中から変えてみます。
このパソコンは(どうでもいいことは100%承知なのですが)、AppleのM1 MacBook Airで、色はスペースグレイです。確か、2021年ごろに購入したと思います。もちろん見た目もスタイリッシュでかっこいいし、性能も十分満足しています。
ただ、このパソコンに飽きたとしましょう。
そうすると、また新しいパソコンが必要になります(今までのものを手放すわけではない)。今はM2チップの最新モデルがありますし、カラーはミッドナイトというおしゃれな色のモデルもあります。
つまり、今まで使っていたパソコンではなく、新しいパソコンを買い換えるので、今までにはなかった最新モデルの「パソコン」を買うことになります。
具体例を挙げて解説
では、実際に具体例をもう少し見て、確認していきましょう。
車
ではまず、「車」を例にとります。
- nouvelle voiture
- voiture nouvelle
先ほどの解説を踏まえて、これらの違いを説明できますでしょうか。
1つ目は、同じものの置き換え。
つまり、新車ということになります。
より簡単にいうと、買ったばかりの車ということですね。たとえ製造されたのが昔だったとしても、私にとっては、古い車を手放して手にした「新しい車」ということになります。
2つ目は、今までにない。
つまり、最新の車ということになります。
より簡単にいうと、新モデルの車ということですね。たとえ誰かから譲り受けたとしても、最新版の「新しい車」ということになります。
考え
ではもう一つの例え、アイデアでもサクッと見てみましょう。
- nouvelles idées
- idées nouvelles
これは
- 同じものの置き換え:以前とは違う考えのこと、気分が変わって今の考え
(例)前はお風呂に入ってからご飯を食べていたけど、今は「先にご飯を食べた方が良い」という新しい考え - 今までにないもの:先進的な考えのこと。近代化によって特徴づけられる思想
(例)女性は家庭を守るもの、という考えではなく、「自己実現のために社会進出するべき」という新しい考え
では、「新年」は?
では、最後に「新年」という表現について考えてみましょう。
これは、Nouvel an という言い方が一般的です。去年という年が新しくなって新年を迎えるわけですから、「同じものの置き換え」で言うことができます。
しかし、これは必ずしもnouvel an とは限りません。
人によって、今年こそ「今までとは全く異なる新しい年にしたい」と考えている人もいるだろうし、「今年が時代の転換点になる」と考えている人もいるかもしれません。そういう場合は、迷わず「l’an neuf」と言うこともアリですね。
まとめ
いかがだったでしょうか。以上が、厄介な形容詞「nouveau」の解説になります!
ポイントは、以下の通りです。
【nouveau、neuf、ancien、vieuxの区分】
- nouveau:新しい ⇔ ancien:前の
- neuf:新品の ⇔ vieux:古い
【nouveauの位置】
- 同じものの置き換え:このパターンの時、「nouveau」は名詞より前において修飾(Nouvel ordinateur)
- 今までにないもの:このパターンの時、「nouveau」は名詞より後において修飾(Ordinateur nouveau)
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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