今回の記事では、フランス語の未来時制、「単純未来・近接未来・前未来」についてザックリ解説していきます。
・時制が多すぎて混乱してるから整理して覚えたい!
・それぞれの時制がどんなものかざっくり教えて!
②:単純未来と近接未来の違いについて
③:前未来の説明
記事構成はこんな感じです。
この記事を読んだら、だいたいのイメージはつかめているはずですよ!
まずは3種類あることを知ろう
単純未来・近接未来・前未来
まず、フランス語の未来について話す言い方には3種類あります。
- 単純未来
- 近接未来
- 前未来
この3つをとにかく覚えておきましょう。
ここで注意点ですが、
- 「単純未来」と「前未来」は「時制」の名前
- 近接未来というのは時制は現在ですが、先のことについて話すときに用いる
ので、今回は「近接未来」も未来の言い方の中にまとめました。
近接未来は簡単にいうとイディオムのようなもので、aller の特殊用法とでも理解しておくと分かりやすいかと思います!
つまり、少し先の未来について話すにもかかわらず、時制は「現在」の表現を用いるため、活用などはそのままよく知っているものを使えるということです。
単純未来と前未来は動詞の語尾が活用するので、しっかりと覚えなくてはなりません。
【未来の言い方まとめ】
- 未来形の時制は単純未来・前未来の2つ
- ここで紹介する未来についての表現は、単純未来・前未来・近接未来の3つ
どれも日常で使っている
さきぼど挙げた3つの表現はどれも日常で使っているのもです。
たとえば過去時制の場合、単純過去・前過去はもう日常生活で使わない表現です。
しかし、未来時制の場合はそのような書き言葉、特に文学作品にしかでないような時制はありません。
ちなみに頻度としては、圧倒的に単純未来と近接未来の使用度が高いです。
なのでまずは、単純未来・近接未来と前未来に分けて説明していきます!!
単純未来と近接未来
ではまず、単純未来と近接未来から説明していきましょう!
共通点は「現在」から見た未来
この2つの共通点、つまり「前未来」と「単純未来・近接未来」の大きな違いは、話す視点が現在かどうかです。
例えば、これからしようと思っていること、明日の天気、数時間後の渋滞の予想などです。これらはどれも、「現在の自分が未来について話している」と言うことができます。
前未来の時制では何を視点にしているかは、あとで解説しています。
単純未来と近接未来の違い
確定しているかどうか
1つ目の違いは、「その話す内容が確定しているかどうか」です。
これが一番のポイントとなるでしょう。
《近接未来》
近接未来の場合は、
- 「これから〜〜するつもりである」
- 「〜〜する予定だ」
などの確実度が高い場合に用いられます。
近接未来とあるように、近い未来についての場合ですから、近い未来の方が確実度が高いと言えるでしょう。
例えば、電車に乗っていて「どこに行くの?」と聞かれて、「これからパリに行きます」と答えるときは、近接未来を使います。
近い未来であり、確実なので単純未来は使いません。
Je vais aller à Paris. と言いましょう。
《単純未来》
単純未来の場合は、
- 「〜〜かもしれない」
- 「〜〜するつもりである」
などの確実度が比較的低い場合に用いられます。
単なる推測の場合も単純未来を用います。
例えば、明日の予定について話していて、「たぶん明日は晴れると思うよ」と答えるときは単純未来を用います。
推測なので確実性が低いからです。
Il fera beau demain. と言いましょう。
実際問題として、「近い未来かどうか」というのはそこまで重要ではないような気がします。
1ヶ月後を近い未来とみるか、遠い未来とみるかは状況によって異なるので基準にはしにくいからです。
そこまで基準は厳密に決まっていないので、近接未来の言い方を完璧にマスターしておいて、
- 確実なものは近接未来、
- 不確実なものは単純未来、
- どっちとも言えないものはとりあえず確実に言える近接未来を使う
という作戦もありだと思います。
【未来系を使うときは、以下を参考に】
- とにかく近接未来の言い方をマスターする
- 確実な未来は近接未来を使う
- 不確実なものは単純未来を使う
- どっちかわからないものは近接未来でとりあえず言う
二人称の単純未来で軽い命令形
これは単純未来の場合だけです。
「〜〜してね」ぐらいの簡単なお願いの意味で用いるときは、このように二人称で未来形を使うことがあります。
例えばみんなで集まって遊んでいて、飲み物をついでもらうときなどに、
” Tu me diras stop.” などと言われることがよくありました。
コップにどれぐらいつげばいいか分からないから、いいときにストップと言ってね!というようなニュアンスで使っています。
他にも、迎えに行けばいい時間を教えてほしいときなどにも使える表現です。
前未来について
さきほどまでで単純未来と近接未来の話は終わりで、ここからは前未来についてです。
この表現はそこまで頻度は高くありません。
前未来が単純未来と近接未来の二つと大きく違う点は、話しているときの基準が「現在」ではなく「未来」だという点です。
具体例を挙げながら説明していきましょう。例えばこのような文があります。
Demain, je serais parti avant 7 heures.
明日、わたしは7時には出発しているだろう。
このように「わたしは出発している」という未来の状況を説明したいときに、話す基準が現在ではなく「7時」の段階になっています。
では未来の話なのになぜ「前未来」なのだろうかと思われるかもしれません。
それは、7時には出発しており、話す基準のときよりも「前」の段階で完了している「未来」について説明しているのです。これが前未来という時制です。
英語の未来完了のようなものです。〜しているだろう、〜してしまっているだろう、などと訳すことができます。
以上がフランス語の未来に関する表現の説明でした!
参考にしていただければ幸いです。