今回の記事は、フランス語の逆さ言葉「verlan」について紹介します!
- スラング的なフランス語も学びたい〜
- 若い人と話していると聞き取れないことがある!
- 逆さ言葉ってどんなものがあるか教えて〜
②:具体的にどんなものがあるか
③:verlanの役割
この記事の構成はこんな感じです。これを読めば、会話だけでなく映画などでいきなり理解できなくなったときも、なんとかなるかもしれません。
verlanとは?
さっそくですが、verlanとは何かの説明を始めましょう。
ズバリ、
(例)mettre un pull à l’envers セーターを裏返しに着る
verlanの特徴
まとめると、verlanは以下のような特徴に当てはまるものです。
- 音を頼りに辞書を引いても意味が分からない。
- 話がいきなり理解できなくなった。
↓
- 単語をまず音節に区切る。
- そのまま音節の順序を入れ替えて使っている。
例を見た方がはやいと思うので、以下で具体例を見ていきましょう!
verlanの具体例
それでは、具体的に例を挙げます。
まずは、挨拶から。
- jourbon !(ジュールボン)
- cimer !(シメール!)
こんな感じです。これなら意味がわかりますかね。
- jour-bon → bonjour(こんにちは)
- ci-mer → merci(ありがとう)
いきなり言われたらなんのことかわからないけど、これがverlanだと分かれば誰でも分かるような内容のことですよね。
これに素早く気づけるかが、相手の話している内容を理解できるかのポイントです。
よく使うもの
よく使うもので、以下のものがあります。
- un féca → un café
- le tromé → le métro
- une meuf → une famme
- c’est ouf ! → c’est fou !
- Je trouve ça zarbi. → Je trouve ça bizarre.
これぐらいをとりあえずは覚えておきましょう。
だいたいのイメージは持てましたよね。
verlanの役割
さきほどverlanの例を挙げましたが、ここからはこの役割についての内容です。
- 意味的な役割
- 社会的な役割
この2点から見ていきましょう。
意味的な役割
まずは、verlanの単語が持つ意味から解説です。
bonjour と jourbon の2つは、そこまで大きい意味の違いはありません。両方とも「こんにちは」という挨拶の意味ですね。
しかし、famme と menf では少しニュアンスが変わることもあります。
- famme:女性、妻
- meuf:オンナ・恋人(どちらかというとfilleの意味)、アイツ
まとめるとverlanの方が、
- くだけた言い方になることがある
- たまに侮蔑的な意味合いが強くなることがある
この点に注意して使いましょう。
社会的な役割
次は、verlanが持つ社会的な役割です。
これはverlanに限らず言葉のスラング全般にいえることですが、これらが持つ役割は、
これについて説明しましょう。
verlanは、全フランス人が使うわけではありません。
つまり、verlanというある特定のことばやコミュニケーションのスタイルは、「若者」などの「所属グループ内のみ」で共有することになります。
これによって、他の集団から自分たちを差別化し、共同体への所属意識を強化するためのものであるといえます。
『筑波大学フランス語フランス文学論集』第33号、2018年 比内晃介
JK(女子高生)が使うことばなんかも同じようなものですよね。
こう考えると言語を学ぶということは、とても奥が深いです。引き続き頑張っていきましょう!