今回の記事では、フランス語の二人称「vousとtuの使い分け」について、まとめて書いていきたいと思います。
- vousは敬語のようなもの?
- イマイチ使い分けがわからない
- 友達と話すときはtuでオッケー?
②:できればtuを使いたい
③:どのように使い分けたらいいか
この記事の構成はこんな感じです。これを読めばフランス語の二人称の区分について、今までよりもスッキリ整理して理解できているはずです。
心理的距離
まず、このtuとvousの使い分けの一番のポイントから確認しておきます。
ズバリそれは、
ということです。
いや〜ぶっちゃけこれが一番難しいですよね。相手との心の距離が見えるものだったら、人生のいろんな悩みが解決してしまいそうです。
vous=敬語ではない
よくある解釈ですが、以下のように考えていると間違ってしまうことがあります。
【これは間違い】
- vous:敬語
- tu:タメ口
これは、単純に年齢が上であるとか、敬意を持っているかという基準で分けられていますよね。
日本語の敬語とタメ口について真剣に考えたことはありませんが、
- 年齢に差がある場合
- 仕事場の場合
こういうときには、敬語を使っておいた方がおそらく無難ですよね。
フランス語のtuとvousでも似たようなところはあるのですが、「一対一対応するものではない」ということを覚えておきましょう!
tutoyer, vouvoyer
ちなみに単語の確認ですが、tutoyerとvouvoyerという単語があります。
- tutoyer:tuを使って話す、親しい口を聞く
- vouvoyer:vousを使って話す、丁寧(他人行儀な)口を聞く
これらの単語を使って、もし相手に確認をとりたいときは
と聞いてしまいましょう。
できればtuが楽
ここからは個人的な話になるのですが、自分は留学中にフランスで出会った人たちとは「できれば tu で話したい!」って思っていました。
理由は、以下の2点です。
- 親しい間柄になりたいから
- 活用がめっちゃ楽だから
1つ目の理由は、とってつけたようなものに見えるかもしれません。
でも2つ目の理由は、フランス語にまだ慣れていない状態で話さなければいけないときはめちゃくちゃ楽になります。
活用が1種類でよくなる
なぜなら、活用が1種類で良くなるわけです。
フランス語の実際の会話では、「わたしたち」という場合の主語を、nousではなくonで話すことが普通です。
こうなると、活用が1パターンになるのでめちゃくちゃ簡単になりますよね。
使い分けの基準
とはいえ、もちろんvousを使って話さなければいけない時もあります。
- 圧倒的に年上の人
- 圧倒的に上の立場の人
- 圧倒的に仲良くない人
この場合は、何も考えずにvousを使って話しましょう。
迷う場合
次に、迷う場合でもvousを使った方がいいときについてです。
フランスにいるときは、1クラス10〜15人ぐらいの授業だったのですが、生徒はみんなvousで話すように言われていました。
ちなみに、教師側はtuで話す人もvousで話す人もいましたが、生徒側は常にvousを使って話すということです。
でも、これも結局は一般論なんですよね。
日本にいるときに、語学学校のフランス語の教員がいたのですが、この人は「tu」を使ってよ!って感じでした。
自分が20歳ぐらいで、先生が30歳すぎぐらいだったと思います。
10歳以上も上だったので少し違和感はありましたが、それは完全に日本語的な「敬語・タメ口」の感覚だったからだと思います。
確実にtuでいい場合
自分がフランスにいるとき、初めましてだろうが、心理的距離がそんなに近くなかろうが、ほぼ間違いなくtuで話す場合がありました。
何歳ぐらいまでを「若者」といったら良いかは難しいところですが、20代同士ならおそらくvousを使う方が少し違和感があります。
自分は慣れない頃に何度か「On peut se tutoyer ?」を使ったことがありますが、確実にオッケーでしたし、その質問をすること自体が「bizarre」と言われたこともあります。
なので、この場合はtuでオッケーでしょう!
このパターン以外は、主導権を相手に譲りながら様子を見て話すのが一番良いと思います!