今回の記事は、フランス語に興味を持っているけれど、勉強すべきか迷っている英語学習者に向けての記事です。
・フランス語の学習に、英語の知識は活かせる?
・フランス語の勉強って、英語の上達にも効果あるの?
後半:具体的に解説
この記事はこんな感じの内容になっています。フランス語が、英語学習にも効果的な理由を解説していきたいと思います。
フランス語のメリット5つ
それではまず、英語学習者にとってフランス語学習が効果的な理由を5つ紹介したいと思います!
それは以下の5つです。
- フランス語はゼロからのスタートではない
- 言語を学ぶときに比較対象が手に入る
- 英語の上級のボキャブラリーが増える
- 英語圏以外の情報も手に入る
- 教養につながる
こんな感じの内容です!具体的に見ていきましょう。
1.ゼロからのスタートではない
まず言えることですが、フランス語を勉強しようと思ったときに、英語の知識があれば完全にゼロからのスタートではないんです。
フランス語はたしかにラテン語系の言語だし、英語とは成り立ちが違うように見えます。
英単語とフランス語単語
試しにフランス語の単語と英語の単語を少し見比べてみましょう。
英語とフランス語で似ている単語なんてもう、いくらでもあるので挙げたらキリがないのですが、ここでは「交渉する」という単語を見ましょう。
- 英語: negotiate
- フランス語:négocier
さらに名詞で「交渉」という単語は、
- 英語では negotiation
- フランス語では négociation
です。
このように、「見たらなんとなく似てるから、英語でいうあれかな〜」っていうのがあったりして、それで意味をとれたりもします。
本当の英語上級者ならフランス語単語を学ぶときに、négociation で「交渉」と勉強するよりも、
négociation は英語の negotiation のことか!
と理解する方が本来の意味を理解することに近いかもしれません。
文法も予想より苦じゃない
文法もそこまで構える必要はありません。
なぜなら、言っても基本ルールは似ているからです。
- 日本語しか知らない自分が、英語を勉強し始めたとき、
→ その違いに驚く- 日本語と英語を勉強した自分が、フランス語を勉強し始めたとき、
→ 類似点の多さに驚く
ざっとこんな感じでした。
おそらく同じような苦労が待ち受けているのだろうな、とフランス語の勉強を始めるときに思っていましたが、意外とそこまでではありませんでした。
フランス語だって、
- 主語のあとに動詞はくるし、
- やっぱり始めに学習する動詞はbe動詞みたいなものだし、
- 次はhave にあたるものだし、
ってな感じで、言語の違いに驚くというよりもむしろ、その類似点が多いことに驚くはずです。
2.比較対象を手にいれる
次に挙げるのは、学習言語が増えると比較対象も増えるという点です。
つまり、
それだけ類推する材料が増える
ということになります。
言語同士の共通点と相違点をみながら学習することで、学習効率を高めたり深い理解につながったりします。
わたしはフランス語の勉強を始めてから、英語の冠詞についてやっと分かったような気持ちになりました。
例えば、「わたしは学生です」というとき、
- 英語なら I’m a student.
- フランス語なら Je suis étudiant(e).
日本語にしてみたら全く同じなのですが、この二つは文法的に冠詞があるかないかという違いがあります。
- 「多くの学生がいる中で不特定の一人の学生だ」
と言おうとしている英語と、 - 「学生という身分や属性を表している」
フランス語との違いに気づいたときは納得しました。
なんだかうまく説明できないので申し訳ないのですが、英語を極めたいと思っている方にとっては、他の言語を勉強することは遠回りのように見えるかもしれません。
しかし、他の言語を勉強することによって、意外と英語の特徴が掴めたりすることもあるのです。
3.英語の単語力がめっちゃつく
ここまでは、簡単に言うと以下のような話ですね。
- フランス語は始めるのにハードルが高くないよ〜という話
- 英語とフランス語は比較しながら勉強できるよ〜という話
正直メリットなのかどうなのか分からない話をしてきました。
しかし、ここからは英語学習者にとってフランス語学習がもたらす大きいメリットについての話です。
外国語学習において語彙の領域は、もはや上限がないのでやってもやっても終わりということはありません。
英語なんかも上級単語になると、本当にキリがないと思います。
ここで朗報なのは、英語の上級単語はフランス語の初級単語からきていることが多いのです。
つまり、フランス語で最初の方に覚えるべき単語として勉強したものが、英語のかなり上級レベルの単語に似ていたりするのです。
他にも難しい単語の語源が分かったり、なんだそういう成り立ちなのか!って思うことが多いです。
超初級単語 dire
たとえば、英単語の
- predict
- contradict
- addict
なんかに出てくるdictという部分は、ラテン語から派生していてフランス語でいうdireです。
フランス語を1ヶ月ほど勉強していて、direという単語を知らない人はおそらくいないでしょう。でも、この単語は英語でsayなので、新たに知識として覚えないと身につかないんです。
でもこれさえ分かっていたら、
- predict → pre(前に)+dict(言う)
=起こる前に話す→予測する- contradict →contra(反対に)+dict(言う)
=反対のことを言うこと→矛盾- addict →ad(その方向に)+dict(言う)
=それだけ話す→中毒になる・熱中する
このようにめっちゃ簡単に分かりますよね。
それぞれを分解した
- pre(英語:before)
- contra(英語:against)
- ad(英語:toward)
のこれらは、すべてがラテン語が由来です。
わたしがフランス語を勉強していて、似たような感動に出会った機会は数え切れません。
同じようなこととして考えていいのかはわかりませんが、おそらく欧米の言語が母国語の人にとったら、日本語を学ぶのに中国語の知識があればめちゃめちゃ強いと思います。それぐらいのアドバンテージがある気がしています。
4.英語圏の外の世界も知れる
グローバル化だとか、世界中の人が英語は話せるとか、そんなことを耳にする機会は多くなりました。
でも、だからといって、たった英語圏の情報を手に入れたぐらいで、世界の情報を得たような気になるのも早すぎるような気がします。
フランス語圏というのは思った以上に多くて、英語圏とは意外と文化も大きく異なっています。
皮肉的に言いますが、一旦、英語を勉強したら就職やビジネスのチャンスが広がるみたいな発想から離れて、フランス語で文化にどっぷり浸かってみるのも悪くないと思います。
5.教養につながる
これも一応メリットですが、英語話者と話しているときに、フランス語の話ができたら絶対に教養ある人間に見られます。
なんだか分からないけどそうなんです。
たぶんフランス語に限った話ではないと思いますが、英語上級者ならばこのような差別化ができたら絶対有利だと思います。
ですのでぜひフランス語も勉強してみてください。
以上が、英語の学習者こそフランス語を勉強すべき理由5つでした!
英語上級者や、語学が好きな英語学習者は、ぜひフランス語の勉強も取り入れてみてください。
参考になれば幸いです。最後まで読んでいただきありがとうございました。