この記事は、フランス語の文法に登場する「名詞」についての解説です。
・じゃあ「少年」は男性名詞で、「少女」は女性名詞ってこと?
・どうやって判断したらいいのか教えて!
後半:結局、名詞の「性」はどうとらえらたいいのか
記事構成はこんな感じです。
この記事を読んだら、だいたいのイメージはつかめているはずですよ!
疑問点を明らかにしよう
わたしには気持ちがわかる
フランス語を勉強し始めて、この名詞の「性」というものに直面すると思います。
わたしはフランス語の勉強を独学で始めました。頼るものは、文法書しかないわけです。
もちろん、フランス語の文法書などを見ると、「名詞」という項目は文法書の中でも最初の方に設けられています。
そこでの説明は、
「フランス語の名詞には男性名詞と女性名詞が存在しています」
といったようにサラっと説明されていることが多いと思います。
ここで「いやいや、待って!」となりますよね?
なんの知識もない初期の学習者からすると、「男性名詞」や「女性名詞」という名前からイメージが先行していまいます。
単なる文法用語でしかないものが、「男っぽいもの」や「女っぽいもの」というようなイメージを作ってしまいかねないのです。
ここで、勘違いしがちな部分を先に提示してしまいましょう。
全ての名詞に性別が決まっている
まずはここが疑問だと思います。
フランス語の全ての名詞に、男性か女性かの性別が決められています。
いや、全てですよ。全て。
「少年」とか「少女」だけじゃなくて、「コップ」にも「消しゴム」にも、全部の名詞が性別をもっているんです。
そうなんです。そこなんです。全ての名詞に性別が決まっています。
ここからさらに、みなさんの気持ちを代弁します。
「お父さん」が男性名詞なのは分かる。
「娘」が女性名詞なのも分かる。
「学生」という単語がその人によって男性名詞になるか女性名詞になるかが決まっているのも理解できる。
なんなら「猫」とか「犬」とかにも性別が決まっていることは想像できる。
ここまでは、かろうじて良いとしましょう。
でも待ってくれ。ネクタイが女性名詞ってどういうこと?
いや、もう仕方ない。ネクタイに性別があるということは百歩譲ろう。
でもだとしてもネクタイは男性名詞じゃないの?
まさにこういうことではないでしょうか。
今からこの疑問を解決していきます!
単なる文法用語でしかない
それでは具体的な説明をしていきましょう。
名詞の性別は単なるグループ
フランス語には、男性名詞や女性名詞という文法用語が存在しています。
でも、これらは実は単なるグループ分けのことです。
グループ1とグループ2という言葉で置き換えても問題ありません。
特に単なるモノが持つ性別に関しては、男性・女性という言葉が持つ意味とは全く関係がないので、ラベルだと思えばいいのです。
つまり逆に言うと、
イメージで決められているものではないため、名詞の性は一つ一つ覚えていかなくてはなりません。
3つの区分
とはいっても、3つの区分ができます。
それは以下の通りですね。
- そもそも男性・女性にしかあてはまらない名詞
- 両方の性を持つ名詞
- その他多くの名詞
さすがに、「お父さん」が文法的に女性名詞だと、混乱します。
「父」「兄」「少年」など、男性にしか当てはまらない名詞は、男性名詞と決まっています。
でも存在する名詞のほとんどは上の箇条書きでいう3番目に当たるので、その名詞の「性」をいちいち覚えなくてはいけませんね。
両方の「性」を持つ名詞
ここで、2番目の「両方の性」を持つ単語については説明しておきます。
さきほど挙げた例のように、「学生」という単語は男性のことを指しているのか女性のことを指しているのかによって性別が変わります。
- そのままの形だと、男性名詞
- 末尾に、e をつけると女性名詞
こういう法則があります。
ami だと男友達の意味になるし、amie だと女友達の意味になります。
また、特定のものを指しているわけではない場合は、男性系を使います。
犬や猫の場合、「自分のメス猫」について話しているときなどでなければ、普通は男性系で話します。
まとめ
ここで、文法的な説明の部分をまとめたいと思います。
- フランス語の男性名詞・女性名詞は単なるグループ分けのラベル。
- 人間などの生物学的な性を持つものは、その性と一致する。
- 両方の性があり、最後にeをつけることで女性名詞になるものがある。
- それ以外のものは、調べて覚えていかなくてはならない。
以上が、フランス語の名詞の性についての解説です。
みなさんのフランス語学習の役に立てれば幸いです。