今回の記事は、フランス語の発音規則「エリジオン・アンシェヌマン・リエゾン」ついて書いていきたいと思います!
・アンシェヌマンとか聞いたこともない
・いい覚え方はあるの?
②:リエゾンについて(してはいけないとき)
③:まとめとポイント
この記事は、こんな感じの内容になっています。
この記事を読んだら、もう理解してみんなに説明できるレベルになっていると思います!
簡単な説明
- 2単語がアポストロフでくっついて1単語になるのがエリジオン
- 速く発音したら母音と母音がつながるのがアンシェヌマン
- 本来発音していなかった音が出てくるのがリエゾン
それではまず、それぞれの簡単な説明から見ていきましょう。エリジオンとアンシェヌマンは、発音の省略です。
子供が遊んでいる。→子供が遊んでる
「遊んでいる」という文の「でいる」の部分は、de i ru と母音が重なる部分があります。
このような場合に省略して、言いやすく「遊んでる」と言うことがあります。
エリジオン(élision)
エリジオンとは、単語と単語の間で母音が重なった時に発生する省略のことです。
省力する時は ’(アポストロフ)をつけます。
例えば、
C’est la vie. (それが人生さ。)
これはC’est(セ) という単語がエリジオンしていますが、本来はCe(ス) est(エ)です。
このように母音が重なったときの省略で、2つの単語が短縮して1単語になるものをエリジオンといいます。
正直、文法知識としてはこれぐらいを覚えておけば良いと思います。
なぜならかなり頻繁に使用しているので、ある程フランス語を度学習しているとこの法則は自然に覚えているような内容だからです。
以下では、確認のためにどんなものがあるか知っておきたい人に向けて、他の例も紹介しておきたいと思います。
定冠詞 le, la
- le argent → l’argent(お金)
- la épice → l’épice(スパイス)
このように定冠詞 le,la の後に母音で始まる名詞がくるパターンはエリジオンすることになります。
ここで意外と重要なことは、男性名詞なのか女性名詞なのかを忘れてしまうことがたまにあります。
形容詞をつけるときは男性名詞か女性名詞かを分かっていないといけないため、その点は注意して覚えておいたほうが良いかもしれません。
否定の ne
- Je ne ai pas le temps. → Je n’ai pas le temps.(わたしは時間がない。)
- Il ne est pas gentil. → Il n’est pas gentil.(彼は優しくない。)
否定の ne は動詞の前にくるので、aimer(愛する)なども J’aime というふうに一単語になります。
意外と忘れがちなのが代名詞 en です。Je n’en ai pas というようにエリジオンしますが、これもエリジオンという文法で理解するのではなく、フレーズで覚えるようにすると良いと思います。
そもそも口頭では否定の ne は省略することが可能であり、実際に省略して使うことがほとんどです。
なので、会話ではあまり気にしなくても良いかもしれません。
アンシェヌマン(enchaînement)
次にアンシェヌマンとは、こちらも発音の省略ですがこれはエリジオンとは違って母音が重なるのではなく、前の単語にある最後の子音と次に来る単語の最初の母音が繋がって発音が省略されます。
例えば、Il est japonais.
これは文字通り読めば、イル エ ジャポネ になりますが、il の l と est の e が繋がってイレ ジャポネと発音します。
sac à dosなども同じアンシェヌマンですが、サック ア ドと何回も速く言っているうちに言いづらいのでサッカドと発音してしまうと思います。
このように表記はそのままで発音を省略するものをアンシェヌマンといいます。
アンシェヌマンはエリジオンと違って、一単語になることはありません。知識としてはこれぐらいで十分だと思います。
リエゾン
最後にリエゾンですが、これも母音で始まる単語が前の単語とつながって発音するというものです。
アンシェヌマンは、前の単語の子音とつながっていましたが、こちらは本来発音していない前の単語の最後の子音が、次の単語の最初の母音と重なることによって出てくるというものです。
J’aime les animaux.(わたしは動物が好きです。)
これはジェム レ ザニモとよみ、lesという単語はもともと単体ではレとだけ発音しますが、次の単語が母音で始まってつながるためsとaがつながってzの音がでてきます。
このようにもともと発音していない単語と母音がつながるときの省略を、リエゾンといいます。わたしは、他の二つよりもリエゾンがより重要だと思っています。
以下で理由を説明します。
リエゾンと他の2つの違い
一番重要ですが難しいのがリエゾンだと思います。
2つと大きく違うところは別の音がでてくるということです。
それは本来発音しない音なので、きちんと最後の子音まで含めた単語のスペルを覚えている必要があります。それをわかった上で母音とつなげる読み方をするので難しいといえるでしょう。
またlesやdesのsとつながるときは、後にくる単語が複数形であることがリエゾンによってはっきりとわかります。
厳密な言語では単数か複数かということは結構重要になりますので、リエゾンできていないと違和感を与えてしまうことになるかもしれません。
リエゾンしてはいけないとき
また、さらにややこしいのがリエゾンしてはいけないときもあります。
例えば、etという接続詞のあとはリエゾンしてはいけません。
Et avec ça ? などです。
これについての詳しい説明は混乱をまねくのでまた別で説明します。こちらからチェックしてください。
覚えるより慣れる
簡単に説明を見ていきましたが、実はほとんどの人がピンときていると思います。
なぜなら、フランス語を勉強し始めておそらく一番目か二番目に学ぶ動詞「avoir」の一番簡単な活用(直接法現在活用)で全て出てきているからです。見てみましょう。
一人称単数 → j’ai(エリジオン)
二人称単数 → tu as
三人称単数 → il a(アンシェヌマン)
一人称複数 → nous avons(リエゾン)
二人称複数 → vous avez(リエゾン)
三人称複数 → ils ont(リエゾン)
このように、ほとんどの人はもうすでにこの発音をマスターしているはずです。
これら3つの違いを分かっていなくても、実は会話ができるかどうかにほとんど影響しません。
結論
まとめ
- 2単語がアポストロフでくっついて1単語になるのがエリジオン
- 速く発音したら母音と母音がつながるのがアンシェヌマン
- 本来発音していなかった音が出てくるのがリエゾン
ポイント
これらの発音の規則は、フランス語を流れるように意味のまとまりを意識して読む練習をすれば、自然と身につくと思います。
これらに共通することは、意味のまとまりのなかで母音ではじまる単語を発音することは難しいのでしないということです。
フランス語で話す機会が増え、だんだん会話が上達してくると感じることなのですが、この規則に従ったらより発音しやすいのです。前の単語とつなげたり、新しい音がでてきたりすることで、母音ではじまる機会をなくしているということに気づけるはずです。
これらを意識して、リズム良くフランス語を話せるようになるように頑張りましょう。参考にしてもらえば嬉しいです。
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