今回の記事では、フランス語の単語「mêmeの意味と使い方」について解説していきたいと思います。
- mêmeっていろんな意味があって混乱する
- 意味は知っているけど使い方がよくわからない
- 要点をわかりやすく整理して教えてほしい!
②:意味を3パターンに分けてみる
③:それぞれを例文とともに解説
この記事の構成はこんな感じです。これを読めば、もうmêmeの使い方は理解できているはずです。
それでは、さっそく見ていきましょう!
mêmeの概要
それでははじめに、mêmeという単語の基本情報を確認しておこうと思います。
まず概略を理解した上で、細かい意味は後から確認しましょう!
品詞
mêmeの品詞は、2つあります。
それはズバリ、
- 形容詞
- 副詞
です。どちらの品詞になるかによって、もちろん意味が変わってきます。
そして、個人的に「これこそが事態をややこしくしているのではないか」と疑っているポイントがあります。それは、
という点です。
これによって、訳し方のバリエーションが無限に出てきて、「どういう日本語訳を当てたら良いのかがわからない」という展開になってしまいます。
例えば、英語の「book」という単語を考えて見ましょう。
これは、「本」という名詞で一見簡単な単語のように見えますが、みなさんもご存知のように、「予約する」という動詞にもなったりしますよね。
このように、文脈に応じて訳し方にバリエーションが発生すると、学習者に「複雑だな」「むずかしそう」という印象を与えるのだと思います。
mêmeの活用
日本語学習者に「ヤヤコシイ」と感じさせる原因がわかったところで、次に活用を見ていきましょう!
フランス語の学習で、活用はとても大事です。
「動詞」「形容詞」などの用言を勉強する場合は、必ず「性数一致」の法則を忘れないようにしましょう。
- la même voiture(同じ車)
- le même livre(同じ本)
(最後が e で終わってくれてありがとうございます。)
- Ce sont les mêmes voitures.(これらは同じ車です。)
以上が、mêmeの基本情報の説明です!
ここまでを整理すると、
- mêmeには、形容詞としての使い方と、副詞としての使い方がある。
- 形容詞として使う際、複数形の名詞にかかっていく時は「mêmes」に活用する。
前置きは以上でございます!
それぞれの意味
続いては、具体的にmêmeの意味の確認をしていきましょう!
まずは要点をまとめておきます。
- 「同じ」:形容詞
- 「さえ」:副詞
- 「まさしく、まさに」:形容詞or副詞
こんな感じです。
個人的には、形容詞として「同じ(英語で言うところのsame)」の意味をしっかりと理解して、あとは「強意」のニュアンスで状況に応じて訳していくのがいいと思います!
念のため、具体的に一つずつ深掘りしていきましょう。
「同じ」
では、最初に「同じ」という意味での使い方の確認です。
これは一番カンタンな使い方で、かつ最も頻度が高い意味なので、これをマスターするのが最優先です。
使い方は、以下の通りです。
- C’est la même chose.(それは同じことです。)
- Nous avons la même nationalité.(私たちは同じ国籍です。)
こんな感じで使います。
とってもシンプルですが、例外も存在します。それは、
例えば、en même temps(同時に)などです。
「さえ」
続いては、「さえ」という意味の確認です。これは副詞です。
英語でいうところの「even」です。
ここでのポイントは、以下の2点です。
- 強調したい単語の「前」におく
- ほとんどの場合は「さえ」で訳せるが、基本の意味は「強意」
要するに、文中で「より強く伝えたい」部分の前に「même」を置いて、その後の部分を強調するということですね。
こちらも例文をいくつか挙げておきます。
- Il ne sait même pas nager.
(彼は泳ぐことさえできません。) - Je n’ai pas le temps, même pour un court appel.
(私には時間がありません、短い電話さえできません。) - J’ai vu ça de mes propres yeux, c’est même incroyable !
(私はそれを自分の目で見ました、それは本当に信じられないです!)
いかがでしょうか。
見て分かる通り、1つ目と2つ目は、「泳ぐこと」さえ、「短い電話」さえ、という文脈で、mêmeの後の部分を強調していますね。
しかし3つ目の文のように、「さえ」という訳ではうまく訳せない場面もしばしばあります。この時は、mêmeの後の「incroyable(信じられない)」を強調しているわけですから、「本当に信じられない」といったように、強調しながらその場に応じていい訳を見つける必要があります。
même si 〜
加えて、この用法では、かなり頻度の高い表現がありますから、それを一緒に確認しておきましょう。
それは
というイディオムです。
これは même をおくことによって、「Si S + V(もしSがVならば)」という部分を強調していますね。
ですが、その(S + V)の内容は、条件や制約を表していることがほとんどです。ですので、その後に続く文がその条件に反していることを示す表現になります。
これも一見関係がなさそうですが、一応「même」が強調的な役割を果たしていることには変わりないので、この部分の解説に入れました。ですので、「たとえ〜〜でも」という訳でイディオムとして覚えておきましょう!
Même si je suis fatigué(e), je vais aller au travail demain. (たとえ疲れていても、明日は仕事に行くつもりです。)
※自分で例文を作っておいてどうかと思いますが、疲れている時は、まずは休んでください(^人^)
まさに、まさしく
最後に、「まさしく」という意味のmêmeを見ていきましょう。
これは正直な話、あまり頻度が高くありません。
これも意味は「強意」で、先ほどと同じになります。しかし今度は、mêmeの前に強調したいものがきて、名詞や副詞を強調します。
- Il est l’exactitude même.(彼はまさしく几帳面である。=この上なく几帳面だ)
人称代名詞の強勢形+même(s)
加えて、先ほどと同様にこちらも頻出表現を確認しておきます。
それは、
です。例文としては、
Je vais le faire moi-même. (私自身がそれをやります。)
といった使い方ができます。
- moi-même:わたし自身
- toi-même :きみ自身
- lui-même :彼自身
- nous-mêmes:わたしたち自身
など、これらの表現は覚えておきましょう!
もし「人称代名詞の強勢形って何?」という人がいましたら、以下で文法をチェックしてみてください。
まとめ
いかがだったでしょうか。以上が、mêmeという単語の解説になります!
ポイントは、以下の通りです。
- mêmeには、形容詞としての使い方と、副詞としての使い方がある。
- 形容詞として使う際、複数形の名詞にかかっていく時は「mêmes」に活用する。
【mêmeの意味】
- 「同じ」:形容詞
- 「さえ」:副詞
- 「まさしく、まさに」:形容詞or副詞
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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