フランス語の受け身・受動態の文を作る時に覚えておくと良いこと【日本語との違い】

今回の記事では、日本語の受動態とフランス語の受動態というテーマで記事を書いていきたいと思います。

人間
  • 受け身の表現ってどうやって作るの?
  • 受動態と能動態の違いはなに?
  • 日本語とフランス語の違いが知りたい!
 
こんな疑問を解決した記事になっています。
 
フランス語を勉強していると「受動態・能動態」という言葉自体はよく耳にする単語かもしれません。しかし、その内実までしっかりと理解するのはムズカシイような気がします。
だからこそ、少しでも構造を理解しておくことでフランス語全体の理解に役に立てましょう!
①:フランス語の受け身の作り方
②:受動態がもたらす効果
③:日本語とフランス語の構造の違い

この記事の構成はこんな感じです。これを読めば、今までよりも少し、フランス語の理解の幅が広がっているはずです。

それでは、さっそく見ていきましょう!

フランス語の「受け身」表現

それではまず、フランス語の受け身に関する表現から確認しておきましょう!

基本的には、以下の3つの表現を覚えておけば良いと思います。

  1. être + 過去分詞
  2. Onを主語にする
  3. 代名動詞を使う

一応、例文とともに上記の内容をサラッとだけ見ておきます。

詳しくはこちらの記事で、細かい文法や使い分けによるニュアンスの違いまで詳しく解説しています。

être+過去分詞

まず1つ目は、いわゆる「受動態」を作る方法です。使い方の基本は、以下のような文になります。

動作を受けるもの+être+過去分詞+(par/de+動作主)

例文を見てみましょう。

(例)

Tout le monde réspecte Monsieur Yamada.(能動態)
みんなが、山田さんを尊敬している。

→ Monsieur Yamada est réspecté de tout le monde.(受動態)
  山田さんは、みんなに尊敬されている。

主語と目的語が入れ替わることで、「動作を受ける側」に焦点が当たった表現になっていますね。

On を主語にする

次に、Onを使う場合を見ていきましょう!

La cuisine française est aimée.
フランス料理は好まれている。

このような受け身の文は、シンプルに主語を「on」にすることで、同じような意味を表現することができます。

On aime la cuisine française.

代名動詞を使う

最後に、代名動詞を使う場合を紹介します。

Le français se parle en France.
フランス語は、フランスで話されている。

代名動詞を使った表現については、こちらの記事で解説していますので、ぜひ一緒にチェックしてみてください!

注目すべきは視点の違い

それでは、フランス語の受け身表現を確認したところで、いよいよ本題の「受動態とはなにか」を考えていきたいと思います。

まず、以下の2文を見ましょう。

  • 花子は母に怒られる。
  • 母は花子を怒る。

わたしたちの実感からも分かる通り、これらの文は異なる文ですが、「同じ事態」を描写した文だということができます。

では、これらの文はニュアンスまで全く同じなのでしょうか。もし違うのだとすると、いったい何が違うのでしょうか。

その違いはズバリ、その文を発する人の「視点の違い」にあります。

目の前の状況を聞かれて、上記の2文を発言するとき、これは発話する人間が「母」と「花子」のどちらに注目し視点を当てているかに影響を受けるでしょう。

この視点の違いを容易に示すことができるのが、能動態と受動態を使い分ける大きなメリットです。

「視点をずらす」他の方法

実は、視点をずらす方法は「能動態・受動態」以外にもいくつかあります。

例えば、「あげる・もらう」や「行く・来る」という動詞の使い分けです。

以下の例文で確認しましょう。

  • マリーはピエールに指輪をもらった。(マリー視点)
  • ピエールはマリーに指輪をあげた。(ピエール視点)

これも、さきほどの例と同じように「同じ事態を描写しているにもかかわらず」視点が変わっていますね。

実は、これらの例文の「マリー」の部分を「私の娘」に置き換えるとそのことがよく理解できます。

なぜなら、「私の娘」は自分に近い存在ですから、ピエールよりも「私の娘」に視点が行くほうが自然だからです。
  • 「私の娘」はピエールに指輪をもらった。
  • ピエールは「私の娘」に指輪をあげた。

これらを比べると、上の文のほうがしっくりきます。2つ目の文は、どこかしら「他人っぽい視点に」感じられますよね。

日本語とフランス語の違い

それでは最後に、「日本語の受動態」「フランス語の受動態」におけるちょっとした違いについて確認しようと思います。

(念のため、上で「フランス語の受動態」といいましたが、英語をはじめとするその他多くの言語に当てはまるかもしれません。)

それは、視点を設定するために対象が2つ存在しないといけないということです。
  • 花子は母に怒られる。
  • 母は花子を怒る。

の場合は、「花子」と「母」

  • マリーはピエールに指輪をもらった。
  • ピエールはマリーに指輪をあげた。

の場合は、「マリー」と「ピエール」

つまり、1つは能動態における主語で、もう一つは能動態における目的語です。

その能動態での目的語が、受動態では主語になるので、フランス語では「主語と目的語を持つ他動詞を持つ文からしか」受動態を作れないことになります。

日本語の場合

一方日本語の場合、実はこればかりではないのです。

ですので、おそらく大丈夫だとは思いますが、この点は注意しておきましょう!

(例)ピエールは残しておいたクリームブリュレを誰かに食べられた。

これの能動文は、「だれかがピエールのクレームブリュレを食べた」ですが、「ピエール」はこの文の主語でも目的語でもありません

これは、単に視点の違いだけではなく、

「能動文はできごとそのものを描写する」のに対し、「受動文はできごとの結果を表す」という特徴があるからかもしれません。

いかがだったでしょうか。

ライオン
ぜひこれをきっかけに、われわれが使う言語について興味を持ってみてはいかかでしょうか。

最後まで読んでいただきありがとうございました!

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